アニエールの河岸

TitleBank of the Seine. Asnières
作家名ポール・シニャック Paul SIGNAC
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1885
寸法縦(cm)60.20
寸法横(cm)92.20
作品・作家解説ポール・シニャック
1885年 油彩、カンヴァス 60.2×92.2cm
 
アニエールはパリの北西、セーヌ河岸に位置する町で、スーラやファン・ゴッホといった画家にもゆかりが深い土地です。父親の死後、シニャックは家族とともにこの町に移り住みました。煙突が見える対岸はパリのクリシー地区で、画面左の空の赤味が川面に反映している様子などを考えあわせると、この作品は人もまばらな朝の河岸の風景を描いたものなのでしょう。1880年代はじめの大ぶりな筆触ではなく、より小さな筆触で画面が作られており、直感的な印象派風の描き方から、新印象派のより緻密な描き方に移行していく時期に描かれた興味深い作品です。第8回印象派展(1886年)にシニャックが出品した18点のなかの1点で、シニャックの家族で代々受け継がれ、愛されてきた作品です。

ポール・シニャック 1863―1935
早逝したジョルジュ・スーラとならび新印象派を代表する画家のひとり。第8回印象派展(1886年)に分割主義(筆触を分割して描く)を用いた作品を出品し、画家としての地歩を築いた。後年は、矩形の筆触の集積によって海辺の風景を描き出す様式美に到達した。


PageTop