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果実の受胎

TitleFruit pregnant
作家名駒井哲郎 KOMAI Tetsuro
技法・素材アクアチント(サンドペーパー使用)、エッチング、ドライポイント、紙
制作年1959
制作年(和)昭和34
寸法縦(cm)26.20
寸法横(cm)35.80
作品・作家解説駒井哲郎[こまい・てつろう]
1959(昭和34)年 アクアチント、エッチング、ドライポイント、紙 26.2×35.8cm

「ごく初期以外、自然から直接描写することはなくなった」という駒井は、この頃の自作について、「何か自分に気がかりな存在、そこに在って欲しいと思うようなものを、なんとか銅版の上に定着しようとした」と言っています。そうした願望を実現させるために、彼は新しい表現技法を実際に編み出してきました。1958年からは、果実、鳥、球根等をモチーフにして、それらの像が重なり合う効果を生かした一連の制作を始めています。《果実の受胎》はそのうちの1点で、筆触やそのかすれが表現できる技法であるシュガー・アクアチント(腐しょくによる銅版画技法の過程で、砂糖を溶かした液を用いる)を基調にしています。生命の象徴としての果実のイメージが重なり合うことで生じている動きのある表現が、とても印象的です。

駒井哲郎[こまい・てつろう] 1920(大正9)―1976(昭和51)
15歳から西田武雄主宰の日本エッチング研究所で銅版画の手ほどきを受ける。1942年東京美術学校西洋画科を卒業。51年サンパウロ・ビエンナーレでコロニー賞を受賞。54年に渡仏し、パリ国立美術学校でビュラン(彫刻刀)による技法を学ぶ。多様な銅版画技法を日本に根付かせ、更に新たな版画表現の可能性を示し、多くの後進を育成した。

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