旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院

TitleSacré-Coeur at Montmartre with Banners Flying
作家名モーリス・ユトリロ Maurice UTRILLO
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1919
寸法縦(cm)81.00
寸法横(cm)60.00
作品・作家解説モーリス・ユトリロ
1919年 油彩、カンヴァス 81.0×60.0cm

ユトリロは初め、印象派のシスレーやピサロのような詩情ある穏やかな風景画を描くことに憧れていました。その後、印象派風の表現に背を向け、直線的な構成を重視し、色彩を抑えて白い建物を強調しながら描く「白の時代」に向かいます。この作品はその時代から離れていく時期に描かれたもので、寺院の建物を厚みのある白で描くと同時に、画面各所に色彩を効果的に配置しています。この作品が制作された年にはサクレ=クール寺院が完成したことや、前年に第一次大戦が終結したことなどが重なって、パリ祭は賑わったようです。ユトリロはその街の賑わいを直接描かずに、フランス国旗が飾られている寺院を、平和を取り戻して喜ぶ人々の心を伝える象徴的な光景として捉えています。まったく同じ構図で旗のない作品も描いています。

モーリス・ユトリロ 1883-1955
画家のシュザンヌ・ヴァラドンを母として生まれる。少年時代から飲酒にふけり、アルコール中毒症で入退院を繰り返す。医師の勧めにより絵を描き始める。1909年からサロン・ドートンヌやアンデパンダン展に出品。ほとんど独学で絵画を学び、自らが生まれ育ったモンマルトルなどのパリの街角を情感をこめて描いた。

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