転位 '83-地-VIII

TitleTransposition '83-Ground-VIII
作家名中林忠良 NAKABAYASHI Tadayoshi
技法・素材エッチング、紙
制作年1983
制作年(和)昭和58
寸法縦(cm)56.70
寸法横(cm)49.60
作品・作家解説中林忠良[なかばやし・ただよし]
1983(昭和58)年 エッチング、紙 56.7×49.6cm

中林は白と黒のモノクロームな表現にこだわる理由の一つを、版を「刻る(ほる)」・「腐蝕する」・「刷る」といった銅版画の制作過程そのもののもつ魅力にあると語っています。1978年頃から開始された《転位》シリーズは、枯草の大地を素材に様々な展開をみせています。「転位」という題名には、自己に内在するものを版を介してあらわにするという位相の変換と、実景を版に置き換えその版から紙へ転写すること、という二つの意味合いが込められています。微細な形象が変化錯綜(さくそう)する緊張感あふれる画面には、まるで大地の中に潜む幻想や神秘が、立ち現れてでもいるようです。見る者がその緊張感から解放されるのは、十字架状にさらし出された明るい部分に小さな下草の芽吹きを発見した時です。

中林忠良[なかばやし・ただよし] 1937(昭和12)-
1965年東京芸術大学大学院版画専攻修了。在学中より駒井哲郎に銅版画を学ぶ。同大学版画教室で助手を務めながら、腐蝕(ふしょく)銅版画一筋の作家活動を行う。1975年文化庁在外研修員として欧米に派遣される。国内外の版画展で受賞を重ね、89年より同大学教授を勤める。

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