おせん

TitleOsen
作家名小村雪岱 KOMURA Settai
技法・素材木版、紙
circac.
制作年1941
制作年(和)昭和16
制作年(推定) 
寸法縦(cm)25.00
寸法横(cm)38.40
作品・作家解説小村雪岱[こむら・せったい]
1941(昭和16)頃:没後の後摺り 木版、紙 25.0×38.4cm

邦枝完二(くにえだかんじ)の『おせん』は、昭和8年に朝日新聞に連載された時代小説で、雪岱がその挿絵を担当しました。雪岱の挿絵は人気を博し、挿絵画家としての彼の評価は不動のものとなりました。物語の舞台は江戸の明和期、主人公は笠森稲荷境内にある水茶屋の看板娘おせん。往来で彼女に言い寄る若旦那の徳太郎を振り払っておせんが逃げる場面です。頭巾をかぶっているのがおせん、桐油合羽(とうゆがっぱ:桐の実の油を引いた紙で作った雨コート)をまとっているのが徳太郎です。しかし、この作品の魅力はむしろ、蛇の目傘や強く降りしきる雨を描き出す切れ味鋭い線と、それをきわだたせる意表をついた構図にあります。雪岱は、挿絵の構図を少し変えた肉筆画を残しており、この版画はそれを再現して高見澤木版社から発行されたものです。

小村雪岱[こむら・せったい]1887(明治20)―1940(昭和15)
東京美術学校日本画科選科で学ぶ。伝統絵画の研究や浮世絵の影響につちかわれた繊細な美意識を発揮し、本の装丁、新聞や雑誌の挿絵、歌舞伎や新派の舞台美術など幅広い分野で人気を博した。いずれの仕事も、近代的に洗練させた江戸情緒と、大胆で機知に富むデザイン性をあわせもったモダンな感覚にあふれている。

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