水犬

TitleAqua Dog
作家名吉野辰海 YOSHINO Tatsumi
技法・素材ブロンズ
制作年1988
制作年(和)昭和63
寸法縦(cm)72.00
寸法横(cm)29.00
作品・作家解説吉野辰海[よしの・たつみ]
1988(昭和63)年 ブロンズ 72.0×29.0×20.0cm

伝説的グループ、ネオ・ダダに参加するなど、吉野辰海は1960年代初めから精力的に活動してきましたが、70年代になると自らの原点を洗い直すようになります。そこで浮かびあがってきたのが、幼い時に一緒に過ごし、終戦の頃に行方の分からなくなった飼犬のことでした。犬とともに蘇る戦後の風景や記憶を手がかりに、70年代末から、犬を通して様々なテーマを表現するようになります。とりわけ水のイメージを犬に託した《水犬》のシリーズは、作者の独創的な考えが表れています。犬の腕や首は緩やかにねじれて植物のように伸び、からだ全体は流体的な造形になっています。華奢な体つきで立ちあがり、静かに眼を閉じる姿は、女性的な表情も感じられます。《水犬》は単なる犬の彫刻ではなく、流動性、再生力、女性的なものなど、作者が水について思いを巡らしてきた関心事が融合した造形物なのです。

吉野辰海[よしの・たつみ] 1940(昭和15)-
1960年に前衛芸術の集団、ネオ・ダダ(ネオ・ダダイズム・オルガナイザー)に参加。60年代は読売アンデパンダン展に出品するほか、内科画廊(64年)、村松画廊(66、67年)で個展を開催。1979年に《投影装置の犬》を発表し、以後、犬をモチーフに立体作品を制作。ユーモアやアイロニーの表現を特徴とし、2009年から象、少女、犬が合体する異形の造形も試みている。

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