雪の朝

TitleSnowy Morning
作家名小村雪岱 KOMURA Settai
技法・素材彩色、絹
circac.
制作年1924
制作年(和)大正13
制作年(推定) 
寸法縦(cm)42.20
寸法横(cm)27.70
作品・作家解説小村雪岱[こむら・せったい]
1924(大正13)年頃 彩色、絹 42.2×27.7cm

まだ明けやらぬ、雪に包まれた町の一角に、ほんのりと灯りがともっています。その灯りに照らされた深い雪を薄闇に鈍い光を放つような大胆な色面でとらえ、しんしんと降り積もる雪はひと粒ひと粒をきらめくように繊細に描いています。人の姿はなくとも明るい障子窓でその暮らしを暗示し、少ない数の渋い色目を用いながらも明暗を味わい深く描きわけるなど、雪岱独特の感性が遺憾なく発揮されています。この作品は、かつて雪岱と親交があった方が所蔵していました。《青柳》や《落葉》と作風や大きさ、額装がほぼ同じであることから、季節を主題にした一連の作品であったと考えられます。柳が春、落葉が秋、雪が冬と考えるならば、夏を描いた作品も残されているのではないかと期待がふくらみます。

小村雪岱[こむら・せったい] 1887(明治20)―1940(昭和15)
東京美術学校日本画科選科で学ぶ。伝統絵画の研究や浮世絵の影響につちかわれた繊細な美意識を発揮し、本の装丁、新聞や雑誌の挿絵、歌舞伎や新派の舞台美術など幅広い分野で人気を博した。いずれの仕事も、近代的に洗練させた江戸情緒と、大胆で機知に富むデザイン性をあわせもったモダンな感覚にあふれている。

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