雀跳瞬間

TitleThe Moment Sparrow Fly
作家名山村耕花 YAMAMURA Koka
技法・素材彩色、紙
制作年1933
制作年(和)昭和08
寸法縦(cm)181.80
寸法横(cm)90.70
作品・作家解説山村耕花[やまむら・こうか]
1933(昭和6)年 彩色、紙、屏風二曲一双 各181.8×90.7cm

青々と繁る山桐の緑が余白の白地と呼応してひときわ鮮やかです。左の茂みに身を潜めた雀が、蝉を捕らえようと今まさに飛び立つ瞬間です。しかし、蝉は既に右上方へ向かって逃げ去っています。この二者の緊迫した一瞬の間合いが作品の主題です。第20回再興院展に、裸の太閤を描いて話題を呼んだ《黄鶴臺》と共に出品されています。耕花の本領は《黄鶴臺(こうかくだい)》のような機知に富んだ構想画ですが、自然に取材した制作では、画材や技法の研究を意欲的に行っています。この作品では、手持ちの緑青(ろくしょう)の絵の具を使い果たして描いたという山桐の表現に腐心しています。また、余白の特性を生かした明快な構図や、余白の白と緑青の緑の鮮やかな色彩の対比などには、草花を装飾性豊かに描いたことで知られる江戸琳派(りんぱ)の作風への関心を窺せています。

山村耕花[やまむら・こうか]1885(明治18)-1942(昭和17)
本名豊成(とよなり)。尾形月耕(げっこう)に学んだ後、東京美術学校日本画科修了。最初は文展に出品するが、1916年〈日本美術院〉同人となり、新しい感覚を加味した歴史人物画や風俗画に新境地をひらいた。また新版画運動にも参加し、挿絵、舞台美術なども手がけた。浮世絵や工芸品の収集家、鑑識家としても定評があった。

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