見立寒山拾得

TitleHanshan Shide Likened to Two Women
作家名小村雪岱 KOMURA Settai
寸法縦(cm)27.70
寸法横(cm)42.00
作品・作家解説小村雪岱[こむら・せったい]
(制作年記載なし)彩色、絹 27.7×42.0cm

古典の逸話や故事を当世風にアレンジした絵画を「見立絵」といいます。寒山と拾得は、中国の唐時代に世俗をさけて山の中に住んでいたという隠者(いんじゃ)。二人が笑い、詩を口ずさむ姿は中国や日本の禅宗絵画で好まれた画題でした。しかし雪岱はそれとはまったく対照的に、主人公を秋の奥深い山で遊ぶ、しゃれた身づくろいの女性に見立てました。元になった寒山と拾得が手にする巻物やほうきは、この作品では筆と落ち葉となって描かれ、鋭い線や余白の効果を存分にいかした、気品ある美人画に仕立てられています。モデルは芸者といわれますが、きりりとしたうりざね顔や華奢(きゃしゃ)な体つきは雪岱独特の表現です。自分が追い求める女性美は能面のようにかすかだが深い情感があり、浮世絵や母親、仏像のイメージなどを重ね合わせた「心像」であると雪岱は述べています。

小村雪岱[こむら・せったい] 1887(明治20/埼玉県川越市)―1940(昭和15/東京都千代田区)
東京美術学校日本画科選科で学ぶ。伝統絵画の研究や浮世絵の影響につちかわれた繊細な美意識を発揮し、本の装丁、新聞や雑誌の挿絵、歌舞伎や新派の舞台美術など幅広い分野で人気を博した。いずれの仕事も、近代的に洗練させた江戸情緒と、大胆で機知に富むデザイン性をあわせもったモダンな感覚にあふれている。

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