山麓

TitleFoot of a Mountain
作家名森田恒友 MORITA Tsunetomo
技法・素材墨、紙
制作年1920
制作年(和)大正09
寸法縦(cm)60.00
寸法横(cm)69.00
作品・作家解説森田恒友[もりた・つねとも] 
1920(大正9)年 水墨、紙、軸 60.0×69.0cm

滞欧生活を終えて帰国した恒友が見出したのは、「日本は山河の美しい国であり、この美しい自然の山河に正対してのみ芸術のなれる国である」という強い確信でした。そして、湿潤な日本の風土を生かすために油彩を棄てて水墨画の世界に入っていきました。この作品は、水墨画を手がけはじめてから比較的早い時期のものです。「いいあんべいだねえ。」「おう、今日はどこまで行くんだい。」秋の澄んだ空気を伝わって、そんな会話も聞こえてきそうなのどかな光景です。リズミカルな線の動きや、ぼかしを利かした墨色の微妙な調子、そしてそれらの美しい響き合いが、躍動する自然の息吹を見事に伝えています。「視覚そのものが詩を持っていなければいけない」とする恒友の鋭い視線は、こんな平凡な風景の中にも、素早く詩情を見出したのです。

森田恒友[もりた・つねとも] 1881(明治14)―1933(昭和8)
不同舎に学んだ後、東京美術学校卒業。石井柏亭(はくてい)らと雑誌『方寸』(ほうすん)を創刊。1914年渡欧、セザンヌの作風に共感する。翌年帰国。22年〈春陽会〉の創立に参加。洋画家として出発するが、帰国後は水墨淡彩により、武蔵野や水郷の自然を詩趣あふれる筆致で描いて「平野の詩人」と称された。

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