竹梅図

TitleBamboos and a Ume Tree
作家名橋本雅邦 HASHIMOTO Gaho
技法・素材彩色、紙
制作年1898
制作年(和)明治31
寸法縦(cm)155.50
寸法横(cm)158.70
作品・作家解説橋本雅邦[はしもと・がほう]
1898(明治31)彩色、紙、屏風二曲一双 各155.5×158.7cm

地をはうように幹を伸ばした老梅と、青々と葉を茂らせ空に向かって伸びる竹林を、それぞれ余白を大きくとって対置するように描いています。岡倉天心とともに東京美術学校を辞職して野に下り、日本美術院を興し日本画革新を期して再出発した年の作品ですが、この頃から、洋画の写実を積極的に取り入れていくようになります。この作品も一見すると伝統画法によったもののようにみえますが、細かくみると、梅や竹の幹を絵具の濃淡で描写して立体感や質感を表したり、背景の金地の適所に薄墨をひき、微妙な明暗の調子をつけて空間の広がりを現実的に描くなど、洋画の表現技術を学んだあとがみられます。決して急進的な革新ではなく、あくまで東洋画伝統の高い精神性を堅持しているところが雅邦の絵の魅力です。

橋本雅邦[はしもと・がほう]1835(天保6/東京都中央区)―1908(明治41/東京都文京区)
父の橋本養邦(おさくに)から絵を習い、12歳から木挽町(こびきちょう)の狩野勝川院雅信(しょうせんいんただのぶ)に学ぶ。同門の狩野芳崖(ほうがい)とともにフェノロサ、岡倉天心の指導を受ける。日本の伝統美術の研究の上に、西洋画の技法も取り入れた優れた作品を残し、横山大観、菱田春草らの後進の指導にも尽力した。

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