花鳥図

TitleFlowers and Birds
作家名橋本雅邦 HASHIMOTO Gaho
技法・素材彩色、紙
寸法縦(cm)94.50
寸法横(cm)207.00
作品・作家解説橋本雅邦[はしもと・がほう]
彩色、紙、屏風六曲一双 各94.5×207.0cm

画面向かって右の屏風には春から夏、左の屏風には秋から冬の、それぞれ季節を象徴する9種類の花と12種類の鳥が、金地を背景に豊麗な色彩で描かれた四季花鳥図です。画中に記された「勝園」(しょうえん)の署名から、フェノロサや岡倉天心と共に日本画の革新を目指して活動を始める以前、幕末頃の作品と思われます。ごつごつとした岩の表現や、金雲、流水を用いて空間の奥行きや時間の経過を表す構図など、狩野派の伝統的な画法にのっとって描かれています。しかし、花の重さでしなう茎の風情、花々の間を飛び交う鳥たちの生き生きとした姿など、観察の行き届いたリアルな描写からは、伝統的な様式表現の遵守に終始していた当時の狩野派の作風から抜けだそうとする意欲がうかがえます。

橋本雅邦[はしもと・がほう] 1835(天保6)―1908(明治41)
父の橋本養邦(おさくに)から絵を習い、12歳から木挽町(こびきちょう)の狩野勝川院雅信(しょうせんいんただのぶ)に学ぶ。同門の狩野芳崖(ほうがい)とともにフェノロサ、岡倉天心の指導を受ける。日本の伝統美術の研究の上に、西洋画の技法も取り入れた優れた作品を残し、横山大観、菱田春草らの後進の指導にも尽力した。

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