そりのあるかたち

TitleCurving Form
作家名澄川喜一 SUMIKAWA Kiichi
技法・素材木(松、欅)、鉄板
制作年1980
制作年(和)昭和55
寸法縦(cm)150.00
寸法横(cm)280.00
寸法奥(cm)50.00
作品・作家解説澄川喜一[すみかわ・きいち]
1980(昭和55)年 木、鉄板 150.0×280.0×50.0cm

澄川は1970年代から、素材を活かし構成的に組み合せる連作《そりのあるかたち》を制作しています。この作品は水平方向に伸びる二本の腕が、傾く支柱の一点で支えられ、不安定の中の一瞬の均衡をとらえたような緊張感を生み出しています。また細い腕の先端には四角形の板が二枚のっており、バランスが与えられています。こうした作品の特徴をつくりだしているのが、木という素材です。水平に伸びる腕には木の中でも硬質な欅(けやき)が用いられています。細い方の腕のそりは、その欅材がわずかにしなることにより、流麗ながらも張りのある表情になっています。細い腕の下の部分にある規則的な刻みは、素材と作者の対話の痕跡を残したいという意図でしょうか。木の繊細な表情と作者の創造性が調和した作品です。

澄川喜一[すみかわ・きいち] 1931(昭和6)―
東京藝術大学彫刻科に学び、58年同大学彫刻専攻科を修了。主に木を素材にした作品を制作し、木の特質である「そり」を活かした造形を探求してきた。近年は屋外に石や金属を用いたモニュメントや、建築的な規模の野外作品も制作している。

PageTop