木村雨山

NameKimura Uzan
生年1891
没年1977

略歴・解説

加賀友禅染色家で、人間国宝の木村雨山(本名文二)は、金沢市出身で、明治38年高等小学校を卒業後、当時名人といわれた加賀友禅染色家の上村雲嶂に師事し、日本画を大西金陽に学んだ。大正12年独立し、以来加賀友禅の制作ひとすじに打込んだ。昭和3年第9回帝展に「リス文様壁掛」が初入選し、以後帝展、日展、日本伝統工芸展などで活躍した。昭和30年には友禅の部で重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に認定され、染色界での第1人者と評価された。昭和40年10月紫綬褒章を受賞。同51年4月勲三等瑞宝賞を受賞。その作品は日本画の技法を生かし、描線を自由に表現し、彩色では片刷毛を使ったボカシに工夫をみせるなど、京友禅と異なった加賀友禅独自の作風を展開した。代表作「花訪問着」(昭和40年)、「山吹訪問着」(昭和43年)など多数。
5月9日老衰のため金沢市南新保町の石川県立中央病院で死去した。亮年86。

出典:東京文化財研究所物故者記事

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