越智廓明宛て書簡

大分類所有文化財
寸法縦19.5×横110(cm)
内容暑いことです家族皆無事ですか 今年の夏はよい体力錬成をやりました 七月六日寧楽女塾塾生の希望にまかせ十五名引率長野県上高地から菅平(スガダイラ)志賀高原と牛に引かれて善光寺参りではなく牛を―しかも牡牛のゴタゴタ牛を引き振って―七日間キヤンプやら登山やらいや早年寄りらしくも無く汗をかいて引廻して無事けがもさせず風もひかせず奈良にかへして先生は盆参りに奈良に引揚げました 墓参りして菅長寮に、多分留守だらうと立よつて見ると何という都合のよい事が在山半日違いで可睡斉の大法要に出かけるといふその寸前で菅長もよろこびゆっくり快談 君の噂も出て昼餐を共にして、久方ぶりの喜びを御互に満喫しました。同封の写真御うけとり下さい 深川区冬木町二十 井田幸義 宛(これは長孫通子の夫)一、本写真有難うと挨拶して置て下さい昨日山田耕作、辻輝子両者楽家と箱根にニ泊凉をとつて後老生は 寧楽にかへる月末まで在寓 一筆お盆見舞  武彦  八月十八日 廓明大和尚猊下

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