広告(烏犀円 徳光屋敬右衛門)

台帳番号1971042
収集区分1
申請者番号0266
申請者番号2005
時代不明(明治)
点数1
公開解説 本資料は「烏犀円」という薬の広告です。広告主の徳光屋は現在(2023年当時)も市内で営業している卸薬会社です。記事中に出る徳光屋(渡邉)敬右衛門は、徳光屋の14代目にあたり、22歳で家督を継ぐと、西南戦後の復興景気に乗り、店を繁昌させた徳光屋中興の祖というべき人物です。この時、店は薬業以外に、医療機器や写真材料、染料や食料品など多様な商品を扱う熊本有数の商家でした。
 この徳光屋の看板商品だった「烏犀円」は磁器製の容器に入れて販売されましたが、その容器が熊本城をはじめ各地で出土しています。このことは県内に留まらず、徳光屋の烏犀円が広く流通していた薬だったことを推定させます。
 広告に「新一丁目」との記載があること、また内容から明治維新以後のものと考えられることから、明治元年から明治43年の間の資料であると推定されます。広告の内容としては、どのような薬効を持つ薬であるかが書かれており、薬の薬効を喧伝するものと言えます。この広告から、出土遺物からだけでは分からない、販売価格や容量、練薬だったことなどが分かります。
 なお、本資料についての詳しい紹介及び資料の翻刻は以下リンクから参照できます。この解説を書くにあたり参考とした文献等もそちらに記載していますので、興味のある方はご覧ください。
 https://kumamoto-city-museum.jp/application/files/8616/9164/7221/18.pdf

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