織部兜鉢

資料ID628
中分類工芸
小分類陶磁
法量1点 口径21.5底径8.8高9.5
作者名A北大路 魯山人
作者情報北大路魯山人【1883~1959年(明治16~昭和34】
 1883年(明治16)京都市生まれ。本名、房次郎。幼い頃より書に秀で、書家、篆刻家として名を馳せた魯山人が作陶を始めるのは、自らの料理をより美味しく食すための食器を必要としたことによる。1921年(大正10)に発足した会員制の「美食倶楽部」で盛り付けのための古陶磁が不足したことから魯山人は陶芸を始め、1926年(大正15)には北鎌倉山崎に築窯(翌年「星岡窯」の看板を掲げる)している。魯山人の陶芸の師は古陶磁で、それらを模倣することから始まるが、単なるうつしではなく、常識にとらわれない発想が加えられた独創的な作品となっている。1955年(昭和30)織部焼きに関して重要無形文化財保持者の認定を辞退。1959年(昭和34)没。

資料解説裏返しに置くと兜の形に似ているため、兜鉢と呼ばれる。土が粗く、釉の掛かっていない高台、高台脇にヘラ目が強く残っているだけでなく、釉の掛かった胴部も、薄い釉の下にヘラによって削られた線が見える。また、ヘラによって動いた土の凹凸が釉の上からもはっきりとわかり、外面の肌は粗く、逞しさを感じさせる。一方、内面はたっぷりと釉が掛けられ、肌は滑らかである。高台は削り高台。銘は「魯山人」。古陶磁を師とした魯山人は、特に桃山陶芸に魅かれ、織部・志野といった作品を多数作っている。

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