大壷

資料ID1603
中分類工芸
小分類陶磁
コレクション分類北出コレクション
法量1点 口径11.9胴径35.2底径17.0高42.0
制作年室町時代(15~16世紀)
作者情報信楽窯
 滋賀県の信楽町を中心とした窯で、中世から続く六古窯の一つ。この地域では奈良時代の瓦が出土しており、陶業はすでにその頃から行われていたと考えられているが、須恵器系統との繋がりは不明で平安期は空白とされ、この地で古信楽と呼ばれる陶器が成立するのは鎌倉後期以降とされる。古信楽は、粗く堅い土に無釉で、器種は壺など農民の生活用品的なものとなっている。しかし、施釉ではないが、強火度焼成中のために窯中で溶解した土の表面に燃料の木灰が掛かり、ビードロ釉となっている。この素朴で不作為な景色を持つ信楽は、室町時代に入ると侘び茶人の好みと合い、茶器として盛んに用いられるようになった。

資料解説信楽焼は日本最古の窯の一つで、作行は隣接する土地で製された伊賀焼と共通点が多い。本品は肩の張った赤い器体に緑がかった灰釉がかかっている大壷。焼締めた器体は赤い釉をかけたのかと思うほど滑らかである。玉縁の口縁部から肩、胴、底へと釉が流れているが、裏面にはほとんどかかっていない。器体の高さは40センチほどで特別大きいものではないが、バランスがよく形状の美しい壷である。無銘。

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