略歴・解説
本資料群は、戦後のサラリーマン家庭で使用された生活用具や趣味のカメラなどである。
1東芝製EI-301型(木箱付)の電気アイロンや2ナショナル製の電気あんか(こたつ)は、戦後のサラリーマン家庭の必需品として、特に昭和三十年代を語る上での好資料である。
カメラは、FUJICA SIX、YASHICA ELECTRO35CC、minolta XDの三点からなる。まず、3フジカ製カメラは、珍しい蛇腹式のスプリングカメラであり、昭和20年代後半~30年頃、サラリーマンや学生がカメラを手にし始めた頃のもので、カメラの技術史上一時代をつくったものである。また、4ヤシカ製カメラは、カメラ技術史の中でも、自動露出により誰でも失敗なく簡単に写真が撮れるEEカメラの草分け的資料であり、個人家庭にカメラが大きく普及した画期ともなったものである。キャッチコピーとして万博などが登場し、当時の世相を物語る好資料である。5ミノルタ製カメラは、カメラ技術史の中で、それまで「露出優先か、シャッタースピード優先か」の議論を無意味にしたとされる世界初のTTL測光シャッターと絞り両優先搭載の量産型35㎜一眼レフカメラであり、キャノンA-1が発売されるまで、人気を独占した歴史的カメラである。いずれもカメラが家庭に普及していく過程を見ることができる。
(香川県立ミュージアム2012『収蔵資料目録4』より、一部修正し転載)