(資料群)矢部家 資料

資料群・作家名(ヨミ)やべけしりょう

略歴・解説

昭和59年(1984年)に発売されたパーソナルワープロとその付属品一式である。1970年代末から1980年代前半にかけて、日本語を電子的に扱うワードプロセッサーが開発・製品化されはじめていたが、大型で高額であったため、ワープロはオフィス用の機器で専属のオペレーターが使うものという認識が一般的であった。この資料は、8万8千円と始めて10万円を切る価格で売り出された機種である。この価格を実現するために機能を大きく絞り込んだものであったものの、家庭において個人が使用するための道具としてのワープロの市場を切り開く役割を果たした。現在、パーソナルコンピュータやインターネットの普及などによって、ペンや紙に代わってキーボードを使って文字を書く行為の一般化がすすみ、そうして作成された文章がネットワーク上などで配布・蓄積・共有され、そのための文字コードの再検討が叫ばれるなど文字文化を取り巻く環境はひとつの変革期を迎えている。当資料はこうした変革期の始まりを伝える資料として位置付けられるものである。
(香川県歴史博物館『収蔵資料目録 平成10年度』より、一部修正し転載)

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