(資料群)櫃石王子神社氏子 資料

資料群・作家名(ヨミ)ひついしおうじじんじゃうじこしりょう

略歴・解説

王子神社は櫃石島の氏神として島内の祭りの中心的な場所となる。祭神は王子大神と三宝大荒神である。起源は定かでないが、島中の家々が当番で王子神社に日参し、当番の家に「王子神社三宝大荒神参日参村中安全祈幟」を回覧した。
櫃石島は平家落人の伝説を持つが、落人の姫君を祀ったといわれるのが三社大明神である。明治以降、三社大明神に関わる天変地異が相次ぎ、その度ごとに遷社したという。それとともに姫君をなぐさめるため、三社大明神にも日参するようになったといわれている。「王子神社三宝大荒神参日参村中安全祈幟」とともに三社大明神の幟を回覧した。
櫃石島では毎年1月中旬、ももて祭が行われる。11人の射手が弓を射る神事である。祭は大的の神事と小的の神事に大分される。大的の神事では、島内の諸神に対する射と厄払いの射で、約80手(一手は二矢)の弓を打つ。射手は最初、2本の矢を持参するが紛失しやすいため、ズンドー矢と呼ばれる矢を使用する。ももて祭は現在香川県内に残っているが、この矢を使用するのは櫃石島のみである。矢の先をズンドーと呼び、松の幹で作る。ももて祭当日、ズンドー矢を作る人のことを「矢直し」と呼び、祭の一員として、祭次第に名を連ねる。残った矢は見物客に厄払いの御守として持ち帰られる。
(香川県歴史博物館『収蔵資料目録 平成10年度』より、一部修正し転載)

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