(資料群)合田C家 資料(1)

資料群・作家名(ヨミ)ごうだCけしりょう(1)

略歴・解説

この資料群は、寄贈者の長男(昭和56年生)の初節供に際して贈られた張子の虎と、寄贈者が大学生だった昭和45,6年頃に購入したステレオからなっている。
張子の虎は、仁尾町や三野町、丸亀市、高松市などで作られているもので、香川県の伝統的工芸品に指定されているものもある。また、全国的にも広く作られており、元和年間にはじまったともいう(『香川県大百科事典』)。また現在、張子の虎をつくっている三野町の事例では、明治20年頃に大阪より来た職人に技術を教わった(『香川県の諸職』)とあり、明治期を中心にはじまったり、流行したとも考えられる。香川県では初節供にあたり、男子には団子馬や張子の虎、武者人形などが、女子には市松人形や雛人形が嫁の実家などから贈られたという。
ステレオは、当時(昭和40年代中頃)、世間で一点豪華主義がよく言われていたなか、殺伐とした下宿生活を癒す目的で購入し、映画音楽やクラシック、エレキ系の音楽などを聴いたものという。当時、学生たちの多くは、腕時計や革靴などを買い身につけることで自己主張をしていたといい、寄贈者はステレオで、友人を驚かそうとしたのだという。スピーカーがセパレートになっている本資料は、当時の公務員の初任給が35,000円前後だった時代に、68,000円ほどしたといい、現在の公務員の初任給を指標に換算すると、およそ350,000円ほどになる。ちなみに、このステレオは、その後昭和54年まで使用したという。団塊の世代を語る一資料として興味深い。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成8年度』より、一部修正し転載)

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