(資料群)川崎舎家 資料

資料群・作家名(ヨミ)かわさきやけしりょう

略歴・解説

本資料は、故成田俊子氏(元社会党委員長故成田知巳氏夫人)の御遺志により寄贈されたものである。―字書「壽」は高松藩5代藩主松平頼恭の書で、「源頼恭書」の落款を有する。頼恭は陸奥守山藩主松平頼貞の五男として生まれ、元文4年(1739)に高松に就封した後、藩の財政を立て直し、平賀源内や向山周慶らを登用して殖産典業に務めたほか教育文化面の充実にも意を注ぐなど、高松藩中興の英主として知られる。残り2幅は同箱に納められており、蓋裏の貼紙墨書には「清操院様御筆」、「芳姫様御筆」とある。清操院は頼恭の正室、芳姫は『高松松平氏歴世年譜』(昭和4年)にみえる頼恭の娘「能姫」のことをさすと思われ、それぞれ漢詩(孟浩然作「春暁」)と和歌を書いている。故成田俊子氏は、高松城下西浜(現高松市扇町)にあった豪商川崎屋の当主・川崎舎竹郎の曾孫にあたる。川崎舎竹郎は、明治初頭に新聞諸雑誌展覧所の博文社を創設し、高松の地で自由民権運動の啓蒙を行なった人物として知られる。また川崎舎家は旧高松藩の御用商人として高松松平家との関係も深く、この書幅もそのようなつながりから同家に伝えられたものと思われる。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成7年度』より、一部修正し転載)

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