【解説】河海抄 巻一~巻二十 四辻善成 著 室町時代写 温故堂文庫・和学講談所旧蔵本

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小分類河海抄 巻一~巻二十 四辻善成 著 室町時代写 温
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文化財分類 CB図書
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+解説河海抄 巻一~巻二十  [貴Ⅱ-13]

〈外題〉「河海抄 一(~二十)」(左肩後補双辺題簽)
〈内題〉「河海抄巻第一(~巻第二十)」
〈巻冊〉20巻20冊
〈体裁〉袋綴(五つ目綴)
〈書写年代〉室町時代末期
〈表紙寸法〉縦30.6糎×横23.3糎
〈書入・貼紙〉なし
〈奥書〉「四辻宮大納言申出中書御本永和二年/自孟冬比今永和第五至季春四月書寫/一筆訖/永和五年三月十四日 散位基重在判/数ならて名をさへかくす身なれとも/なかれてしのへ水くきのあと/康暦第二季春後八日重申出御本見合了/讀書雖非器依志切自基重家此一本所/令相傳也/應永第拾六自仲春比今到孟冬比自書/寫一筆訖不可出私箱者也師阿さても/そのかひはなくとも名はかりは世に/たちいてゝよわかのうらなみ/此一句恥後見心」(本奥書)
〈蔵書印〉「和學講談所」、「温故堂文庫」
〈解題〉

『河海抄』は、南北朝時代の公卿、四辻善成によって編まれた『源氏物語』の註釈書である。室町幕府第二代将軍足利義詮の下命により、貞治年間(1362~1367)のはじめに献上されたとされる。院政期から鎌倉時代までの註釈を集成した最初の諸註集成であると同時に、漢籍仏典や和歌物語等におよぶ先行文献を典拠として指摘している。総説にあたる「料簡」では、『源氏物語』が、史実の醍醐、村上両天皇の時代である延喜、天暦をモデルとして描かれたとする延喜・天暦準拠説を唱え、今日の『源氏物語』研究にも大きな影響を与えている。

本書は和学講談所および温故堂文庫の旧蔵本である。和学講談所は塙保己一によって開かれた、和学(国学)を研究、教育するための機関である。また、温故堂文庫は塙保己一の子息である忠宝の蔵書を指す。『河海抄』には中書本と覆勘本の二系統があり、本書は巻二十の奥書から、中書本系統の写本と思量される。また、巻八「絵合」には、「御くしのはこ」、「うちみたりのはこ」などの図がある。阪本龍門文庫蔵の『河海抄』(中書本系統)にも、同じ図がある。

〈参考〉

・伊井春樹編『源氏物語注釈書・享受史事典』(東京堂出版 2001年)
+登録番号(図書館資料ID)貴Ⅱ-13
資料ID143448
所有者(所蔵者)國學院大學図書館
-143447 37 2020/11/18 r.teshina 【解説】河海抄 巻一~巻二十 四辻善成 著 室町時代写 温故堂文庫・和学講談所旧蔵本 【解説】河海抄 巻一~巻二十 四辻善成 著 室町時代写 温故堂文庫・和学講談所旧蔵本 貴Ⅱ-13 09 008 河海抄 巻一~巻二十  [貴Ⅱ-13]

〈外題〉「河海抄 一(~二十)」(左肩後補双辺題簽)
〈内題〉「河海抄巻第一(~巻第二十)」
〈巻冊〉20巻20冊
〈体裁〉袋綴(五つ目綴)
〈書写年代〉室町時代末期
〈表紙寸法〉縦30.6糎×横23.3糎
〈書入・貼紙〉なし
〈奥書〉「四辻宮大納言申出中書御本永和二年/自孟冬比今永和第五至季春四月書寫/一筆訖/永和五年三月十四日 散位基重在判/数ならて名をさへかくす身なれとも/なかれてしのへ水くきのあと/康暦第二季春後八日重申出御本見合了/讀書雖非器依志切自基重家此一本所/令相傳也/應永第拾六自仲春比今到孟冬比自書/寫一筆訖不可出私箱者也師阿さても/そのかひはなくとも名はかりは世に/たちいてゝよわかのうらなみ/此一句恥後見心」(本奥書)
〈蔵書印〉「和學講談所」、「温故堂文庫」
〈解題〉

『河海抄』は、南北朝時代の公卿、四辻善成によって編まれた『源氏物語』の註釈書である。室町幕府第二代将軍足利義詮の下命により、貞治年間(1362~1367)のはじめに献上されたとされる。院政期から鎌倉時代までの註釈を集成した最初の諸註集成であると同時に、漢籍仏典や和歌物語等におよぶ先行文献を典拠として指摘している。総説にあたる「料簡」では、『源氏物語』が、史実の醍醐、村上両天皇の時代である延喜、天暦をモデルとして描かれたとする延喜・天暦準拠説を唱え、今日の『源氏物語』研究にも大きな影響を与えている。

本書は和学講談所および温故堂文庫の旧蔵本である。和学講談所は塙保己一によって開かれた、和学(国学)を研究、教育するための機関である。また、温故堂文庫は塙保己一の子息である忠宝の蔵書を指す。『河海抄』には中書本と覆勘本の二系統があり、本書は巻二十の奥書から、中書本系統の写本と思量される。また、巻八「絵合」には、「御くしのはこ」、「うちみたりのはこ」などの図がある。阪本龍門文庫蔵の『河海抄』(中書本系統)にも、同じ図がある。

〈参考〉

・伊井春樹編『源氏物語注釈書・享受史事典』(東京堂出版 2001年) 1

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