【解説】大嘗会式画図
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分野分類 CB | 歴史学 |
文化財分類 CB | 図書 |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+解説 | 大嘗会式画図 [貴1174] 〈外題〉大嘗会式画図 〈内題〉〈東山院/貞享四年十一月十六日〉大嘗会式画図 〈巻冊〉1冊 〈体裁〉袋綴 〈書写年代〉江戸時代中期 〈寸法〉縦24.7糎×横18.7糎 〈奥書〉貞享四丁卯年 〈蔵書印〉「滋岡庫」 〈解題〉 貞享4年(1687)、東山天皇大嘗祭における荒見河祓(御禊)を中心に、大嘗祭関連の記述を抜き書きしたもの。京都下鴨社の社家である「滋岡家」の旧蔵史料である。 本写本は、貞享度の国郡卜定の日時、荒見河祓(御禊)の諸役と絵図を冒頭に記す。近世の荒見河祓は、9月晦日に上卿以下が紙屋川(北野天満宮と平野社の間を流れる川)に参向して行われたことが知られる。また、大嘗祭に奉仕する斎戒者である小忌が着ける日蔭蔓と心葉(こころば)、小忌衣(上衣として着用する青摺の衣)の絵図も付す。心葉は日蔭の蔓と併せて冠の巾子の前につける挿頭の花である。 この後には、御禊行幸と思われる天皇の行列が記され、延喜以後の悠紀国・主基国の沿革や解説が付され、11月中卯日大嘗会の敷設や神服(和妙・荒妙)、神饌供進の事、辰日・巳日・午日などの行事を簡単に注記している。この間に見開きで、庭燎を焚く中、神楽が行われている絵図が付されている。 注意すべきは、御禊行幸は大嘗祭復興後の近世には行われておらず(清涼殿東庭での御禊儀に略された)、また貞享度の大嘗祭では辰~午日の節会を一日に短縮していることである。少なくとも、本写本の御禊行幸行列以後の記載は、貞享4年に実際に行われた大嘗祭を記したものではなく、中世以前の史料から、古代~中世における大嘗祭の次第を注記したものと捉えるべきである。また、神楽の絵図についても、大嘗祭に関する何らかの場面を想定して図示したものであろう。 本書の末尾には、一条兼良『代始和抄』の有名な文句「御即位は漢朝の礼儀をまなぶものなり。大嘗会は神代の風儀をうつす。大嘗会の式をば前行の大臣作進するもの也」を参照したと考えられる「御即位ハ漢朝之礼儀をウツサル/大嘗会ハ神代之風儀前行之大臣作進セラルヽ/者ナリ」といった一文を付記している。 〈参考〉 ・皇學館大学神道研究所編『訓読註釈 儀式 践祚大嘗祭儀』(思文閣出版、平成24年6月) |
+登録番号(図書館資料ID) | 貴-1174 |
資料ID | 143136 |
所有者(所蔵者) | 國學院大學図書館 |
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