【解説】天照太神口決
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小分類 | 天照太神口決 |
分野分類 CB | 歴史学 |
文化財分類 CB | 図書 |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+解説 | 天照太神口決 [貴1193] 〈外題〉天照大神口決 〈内題〉天照太神口決 〈巻冊〉1巻 〈体裁〉巻子本 〈書写年代〉近世中後期 〈表紙寸法〉縦24.0糎、全長508糎 〈書入・貼紙〉 〈見返し〉「稲生社別当福満山神宮寺什物/現住比丘恵運/修補之」 〈解題〉 『天照太神口決』は、覚乗(1273〜1363)が嘉暦2年(1327)に、智円律師より伝えられた伊勢の神宮に関わる秘説を記した書である。覚乗は後に西大寺第十一世長老となり、智円は『鼻帰書』を記している。 同書の主要部分は「三箇大事」(心御柱、社殿、子良子)「差図口決」「別社事」より構成される。 「三箇大事」なかの「心御柱」のうちに別に「口伝」があることを記していることから、『天照太神口決』はいくつかの口決(秘伝)とともに相承されたと推定されている。國學院大學図書館・宮地直一コレクション『諸大事』は、この点を裏付ける資料を含む。同資料には『天照太神口決』のほか、様々な神道・神祇に関わる伝授資料を含むが、このうちに「心御柱習」がある。これには神宮の「心御柱」に関わる秘伝を記した後に「二社殿造者如上条、三子良子者如上条、此第一心柱ノ口決ハ自上口決甚深也云云」とある。「社殿造」「子良子」「心柱」は、『天照太神口決』の中心となる「三箇大事」のことであり、「心御柱習」は『天照太神口決』とともに伝授されることがあったと推定できる。 『天照太神口決』には、「別社事」に弘法大師高宮入定説を付記し、また跋文に続けて「本云、産生百日、死三十日……」「御託宣文」「重秘密口決」などを記すものとそうでないものの2系統ある。本資料は後者に属す。この部分を記した代表的なものは大倉精神文化研究所本である。 なお、本資料は、見返しに記された識語から、稲生社(伊奈冨神社)(三重県鈴鹿市)の神宮寺に伝来したものであることがわかる。伊奈冨神社は、『延喜式』神名帳に見える古社であり、8・9世紀には神宮寺が建てられていたと考えられている。ただし、修補を行った「恵運」なる僧については明らかにし得ていない。 〈参考〉 ・伊藤聡『中世天照大神信仰の研究』(法蔵館、2011年) ・阿部泰郎「中世宗教思想文献の研究(一)仁和寺本『天照太神口決』の翻刻と解題」 (『名古屋大學文學部研究論集 文學』43、1997年) ・鈴鹿市教育委員会『鈴鹿市史』1(鈴鹿市役所、1980年) |
+登録番号(図書館資料ID) | 貴1193 |
資料ID | 143073 |
所有者(所蔵者) | 國學院大學図書館 |
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