がき
大分類 | 万葉神事語辞典 |
---|---|
分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | がき;餓鬼 |
+表記 | 餓鬼 |
Title | Gaki |
テキスト内容 | 仏教でいうところの六道の一つ「餓鬼道」の略。また、餓鬼道に落ちた者を指す。『和名抄』などにみられる「餓鬼」は、生前に犯した貪欲の罪によって、そこに落ちると、飲食しようとする食物がたちまち炎にかわるとされ、常に飢えと渇きに苦しむその姿は、やせて腹だけが異様にふくれた姿で絵草紙などに描かれている。万葉集では笠女郎が大伴家持に贈る歌の一首として採録されている。「相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後(しりへ)に額つくごとし」(4-608)思ってもくれない人を思うことの空しさを大寺に立つ餓鬼の後ろから首を垂れて祈るようだと自身をたとえる。こうした表現が恋歌の比喩的表現として成立する背景には、仏教の受容がある。笠女郎は大伴家持を大寺の仏になぞらえ、欲しても満たされない思いを餓鬼の後ろから仏を仰ぎ見る様に例えたのである。 |
+執筆者 | 城﨑陽子 |
- | |
資料ID | 31824 |