いわばしる

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名いわばしる;いはばしる;石走る
+項目名(旧かな)いはばしる
+表記石走る
TitleIwabashiru
テキスト内容①動詞。②枕詞。①は水が岩石にぶつかって勢いよく跳ね返り、水しぶきの飛び散る様子を表わす。「はしる」は水平の移動にも、上下の跳躍にもいう言葉。水が「はしる」という表現は、記紀景行天皇条でヤマトタケルが東征の途上渡った荒海の名「走り水」に見える。紀には、タケルが、これは小さい海だから「立跳(たちはしり)」でも渡れよう、と言ったと記している。万葉集に1例のみで、岩の上をほとばしり流れる(「石走り激ち流るる」)泊瀬川を、絶えることなくまた見に来よう(6-991)と歌う。②枕詞としての用法は、①の状態を表わす語として、「垂水」(7-1142、8-1418、12-3025)「滝」(15-3617)にかかる。「垂水」は滝の小さいもの。また、「淡海国」(1-29、1-50)「淡海縣」(7-1287)のように、地名の「近江(淡海)」にかかる例もあるが、これは溢れる水の意の「溢水(あふみ)」と地名「近江(あふみ)」との音の共通性によるもの。なお、「甘南備山」にかかる例が1例見られるが(13-3230)、かかり方未詳。神奈備山から見える飛鳥川の情景によって続けたかとみる説(『全釈』)がある。「いはばしの」の訓みもある。
+執筆者谷口雅博
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31743
-68307402009/07/06hoshino.seiji00DSG000133いわばしる;いはばしる;石走るIwabashiru①動詞。②枕詞。①は水が岩石にぶつかって勢いよく跳ね返り、水しぶきの飛び散る様子を表わす。「はしる」は水平の移動にも、上下の跳躍にもいう言葉。水が「はしる」という表現は、記紀景行天皇条でヤマトタケルが東征の途上渡った荒海の名「走り水」に見える。紀には、タケルが、これは小さい海だから「立跳(たちはしり)」でも渡れよう、と言ったと記している。万葉集に1例のみで、岩の上をほとばしり流れる(「石走り激ち流るる」)泊瀬川を、絶えることなくまた見に来よう(6-991)と歌う。②枕詞としての用法は、①の状態を表わす語として、「垂水」(7-1142、8-1418、12-3025)「滝」(15-3617)にかかる。「垂水」は滝の小さいもの。また、「淡海国」(1-29、1-50)「淡海縣」(7-1287)のように、地名の「近江(淡海)」にかかる例もあるが、これは溢れる水の意の「溢水(あふみ)」と地名「近江(あふみ)」との音の共通性によるもの。なお、「甘南備山」にかかる例が1例見られるが(13-3230)、かかり方未詳。神奈備山から見える飛鳥川の情景によって続けたかとみる説(『全釈』)がある。「いはばしの」の訓みもある。134いわばしるいはばしる石走る谷口雅博い1

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