いもせのやま

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名いもせのやま;妹背の山
+表記妹背の山
TitleImosenoyama
テキスト内容和歌山県伊都郡かつらぎ町の男女一対とされる山。紀ノ川の北岸に背の山、南岸に妹の山がある。他に「背の山」(1-35、3-285、3-286、3-291、7-1193、7-1208、9-1676、13-3318)や「妹の山」(7-1098、7-1193、13-3318)など単独で用いられる場合もある。「妹」は親しい女性(恋人)を、「背(せ)(兄)」は親しい男性を呼ぶ愛称であるところから、「妹背」で夫婦の姿を指す。「妹背の山」は二山が寄り添って立つその姿から夫婦のイメージを想起させたものであろう。また、この山の夫婦伝説があったか。「背の山に直に向へる妹の山言許せやも打橋渡す」(7-1193)は二山の間に渡した仮橋を男女が互いに伴侶を求めて親和したことに見立てた歌である。このように男女の仲を想起させることから、行幸の宴の場や羈旅歌において故郷に残してきた妻を偲ぶ歌が詠まれる。「後れゐて恋つつあらずは紀伊の国の妹背の山にあらましものを」(4-554)は724(神亀元)年10月の紀伊国行幸に従駕した際の笠金村の歌である。娘子の立場に成りかわって詠んだことが題詞に記され、家に残されつらい思いをしている私はあの人が通っているだろう、あの「妹背の山」のようにあなたと寄り添っていたいと歌う。また「背の山に黄葉常敷く神岳の山の黄葉は今日か散るらむ」(9-1676)のように故郷を思い出すよすがとしても詠まれる。これは妹背の山が紀の国へと続く街道沿いにあり、大化2年の詔に背の山以北を畿内とするとあり、妹背の山を越えることが異界の領域に入るという認識があったことによると思われる。
+執筆者鈴木道代
-68286402009/07/06hoshino.seiji00DSG000112いもせのやま;妹背の山Imosenoyama和歌山県伊都郡かつらぎ町の男女一対とされる山。紀ノ川の北岸に背の山、南岸に妹の山がある。他に「背の山」(1-35、3-285、3-286、3-291、7-1193、7-1208、9-1676、13-3318)や「妹の山」(7-1098、7-1193、13-3318)など単独で用いられる場合もある。「妹」は親しい女性(恋人)を、「背(せ)(兄)」は親しい男性を呼ぶ愛称であるところから、「妹背」で夫婦の姿を指す。「妹背の山」は二山が寄り添って立つその姿から夫婦のイメージを想起させたものであろう。また、この山の夫婦伝説があったか。「背の山に直に向へる妹の山言許せやも打橋渡す」(7-1193)は二山の間に渡した仮橋を男女が互いに伴侶を求めて親和したことに見立てた歌である。このように男女の仲を想起させることから、行幸の宴の場や羈旅歌において故郷に残してきた妻を偲ぶ歌が詠まれる。「後れゐて恋つつあらずは紀伊の国の妹背の山にあらましものを」(4-554)は724(神亀元)年10月の紀伊国行幸に従駕した際の笠金村の歌である。娘子の立場に成りかわって詠んだことが題詞に記され、家に残されつらい思いをしている私はあの人が通っているだろう、あの「妹背の山」のようにあなたと寄り添っていたいと歌う。また「背の山に黄葉常敷く神岳の山の黄葉は今日か散るらむ」(9-1676)のように故郷を思い出すよすがとしても詠まれる。これは妹背の山が紀の国へと続く街道沿いにあり、大化2年の詔に背の山以北を畿内とするとあり、妹背の山を越えることが異界の領域に入るという認識があったことによると思われる。113いもせのやま妹背の山鈴木道代い1
資料ID31722

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