【解説】平家物語 巻一~巻十二 古活字版 無刊記本

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小分類平家物語 巻一~巻十二 古活字版 無刊記本
分野分類 CB歴史学
文化財分類 CB図書
資料形式 CBテキストデータベース
+解説平家物語 古活字版 無刊記本 [貴888-899]

〈外題〉「平家物語 一(~十二)」(左肩後補書題簽)
〈内題〉「平家物語 巻第一(~十二)」
〈巻冊〉12巻12冊
〈体裁〉袋綴(四つ目綴)
〈刊年〉江戸時代初期
〈表紙寸法〉縦27.8糎×横20.2糎
〈書入・貼紙〉書入あり。朱引・朱点あり。
〈刊記〉なし
〈蔵書印〉なし
〈解題〉

平家物語一方系語り本の古活字版には、下村本(下村時房刊本、[貴2304-2315]の項参照)に直接・間接に依拠しつつ制作された本が三種ある。その一つが双辺片仮名古活字本(川瀬一馬氏、十二行片仮名本)であるが、巻九の「小宰相」と巻十二(灌頂巻)の「大原御幸」に、ちょうど下村本の1丁分に相当する本文の誤脱があり、下村本を底本にして刊行された本であることがわかる。他、巻九の「越中前司最後」の冒頭近くには覚一本の本文を取り込んでいる。以上の点を継承して、新たに巻一の「鱸」と「禿童」に部分的に八坂系の本文を取り込んで制作されたのが、単辺片仮名古活字甲種本(川瀬一馬氏、単辺十二行片仮名古活字本)である。

そして、さらに以上の点を継承しつつ、巻九の「小宰相」と巻十二(灌頂巻)の「大原御幸」に見られた本文の誤脱を、流布本の本文で補訂しているのが本書、単辺片仮名古活字乙種本(川瀬一馬氏『増補古活字版之研究』に未載)である。

伝本は他に、東京大学文学部国文学研究室蔵本【中世34・4-4】、国立国会図書館蔵本【WA7-262】、愛知県立大学図書館蔵本(存巻三)【貴9134-13】、財団法人正宗文庫蔵本(存巻三)【別函 02/仮番187】がある。

〈参考〉

・川瀬一馬『増補古活字版之研究』(ABAJ 1967年)

・高木浩明「『平家物語』十二行片仮名古活字本・追考」(二松学舎大学大学院紀要『二松』12 1998年)
+登録番号(図書館資料ID)貴888-899
所有者(所蔵者)國學院大學図書館
コンテンツ権利区分CC BY-SA-ND
資料ID143643
-143642 37 2020/11/18 r.teshina 【解説】平家物語 巻一~巻十二 古活字版 無刊記本 【解説】平家物語 巻一~巻十二 古活字版 無刊記本 貴888-899 10 009 平家物語 古活字版 無刊記本 [貴888-899]

〈外題〉「平家物語 一(~十二)」(左肩後補書題簽)
〈内題〉「平家物語 巻第一(~十二)」
〈巻冊〉12巻12冊
〈体裁〉袋綴(四つ目綴)
〈刊年〉江戸時代初期
〈表紙寸法〉縦27.8糎×横20.2糎
〈書入・貼紙〉書入あり。朱引・朱点あり。
〈刊記〉なし
〈蔵書印〉なし
〈解題〉

平家物語一方系語り本の古活字版には、下村本(下村時房刊本、[貴2304-2315]の項参照)に直接・間接に依拠しつつ制作された本が三種ある。その一つが双辺片仮名古活字本(川瀬一馬氏、十二行片仮名本)であるが、巻九の「小宰相」と巻十二(灌頂巻)の「大原御幸」に、ちょうど下村本の1丁分に相当する本文の誤脱があり、下村本を底本にして刊行された本であることがわかる。他、巻九の「越中前司最後」の冒頭近くには覚一本の本文を取り込んでいる。以上の点を継承して、新たに巻一の「鱸」と「禿童」に部分的に八坂系の本文を取り込んで制作されたのが、単辺片仮名古活字甲種本(川瀬一馬氏、単辺十二行片仮名古活字本)である。

そして、さらに以上の点を継承しつつ、巻九の「小宰相」と巻十二(灌頂巻)の「大原御幸」に見られた本文の誤脱を、流布本の本文で補訂しているのが本書、単辺片仮名古活字乙種本(川瀬一馬氏『増補古活字版之研究』に未載)である。

伝本は他に、東京大学文学部国文学研究室蔵本【中世34・4-4】、国立国会図書館蔵本【WA7-262】、愛知県立大学図書館蔵本(存巻三)【貴9134-13】、財団法人正宗文庫蔵本(存巻三)【別函 02/仮番187】がある。

〈参考〉

・川瀬一馬『増補古活字版之研究』(ABAJ 1967年)

・高木浩明「『平家物語』十二行片仮名古活字本・追考」(二松学舎大学大学院紀要『二松』12 1998年) 1

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