【解説】後拾遺和歌抄 巻一~巻十 伝二篠為世筆 鎌倉時代写 残欠本

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+解説後拾遺和歌抄 巻一-十 伝二條為世筆 鎌倉時代 一冊 [貴76]

〈外題〉「拾遺 上」
〈内題〉「後拾遺和謌抄序(後拾遺和謌抄巻第一~第十)」
〈巻冊〉20巻1帖
〈体裁〉列帖装
〈書写年代〉鎌倉時代前期
〈表紙寸法〉縦24.6糎 横16.0糎
〈書入・貼紙〉異本との校異、勘物註記あり
〈蔵書印〉なし
〈解題〉

保坂潤治氏旧蔵。重要美術品。『後拾遺和歌集』二十巻は、第四番目の勅撰集である。白河天皇の下命により、藤原通俊が撰者となり、寛治元年(1087)に奏覧される。全1218首。和泉式部の68首を筆頭に、相模等女流歌人の多数入集することが特徴である。後拾遺和歌集の古写本は、『拾遺抄』に比して『拾遺集』が広まらなかったことに習い、その名称が「後拾遺和歌抄」となっているのが通例である。上帖仮名序から巻第十までの残欠本であるが、おそらく現存最古の鈔本と思われる。伝二條為世(建長2年〔1250〕~延元3年〔1338〕)筆。表紙は、艶のある鳥の子。題簽は無く、表紙左肩上打ちつけに細字で墨書。本文墨付は165丁、1丁のオモテに「後拾遺和謌抄序」一面9行書き、9丁オモテに「後拾遺和謌抄巻第一」一面九行書き。巻第一春の56番藤原公任の「わがやどの…」の一首は流布本とは異なるかたちで記されており、また「イ本」との校異を示すほか勘物注記もみられる。極札に「二條家為世卿真筆 後拾遺集」とある。伝称筆者の二条為世は、鎌倉時代の歌人。藤原定家の後裔が二条、京極、冷泉三家に分かれた際の二条家の祖である為氏の息。後宇多院の命により、『新後撰集』および『続千載集』を撰進している。弟子として頓阿や兼好等を育て、保守的とされる二条派の歌風を完成させた。『続拾遺集』以下の勅撰集に、170余首が入集する。

〈翻刻〉

・臼田甚五郎「翻刻國學院大學図書館蔵 伝二条為世筆本 後拾遺和謌抄(一)~(五)」(『日本文学論究』28・29、31~33 1970年3月・11月、1971年11月、1972年11月、1973年11月)

〈参考〉

・福田秀一「二条為世」(『日本古典文学大辞典』 岩波書店 1984年)

・久保田淳・平田喜信『後拾遺和歌集』(岩波書店 1994年)
+登録番号(図書館資料ID)貴76
所有者(所蔵者)國學院大學図書館
コンテンツ権利区分CC BY-SA-ND
資料ID143297
-143296 37 2020/11/18 r.teshina 【解説】後拾遺和歌抄 巻一~巻十 伝二篠為世筆 鎌倉時代写 残欠本 【解説】後拾遺和歌抄 巻一~巻十 伝二篠為世筆 鎌倉時代写 残欠本 貴76 05 004 後拾遺和歌抄 巻一-十 伝二條為世筆 鎌倉時代 一冊 [貴76]

〈外題〉「拾遺 上」
〈内題〉「後拾遺和謌抄序(後拾遺和謌抄巻第一~第十)」
〈巻冊〉20巻1帖
〈体裁〉列帖装
〈書写年代〉鎌倉時代前期
〈表紙寸法〉縦24.6糎 横16.0糎
〈書入・貼紙〉異本との校異、勘物註記あり
〈蔵書印〉なし
〈解題〉

保坂潤治氏旧蔵。重要美術品。『後拾遺和歌集』二十巻は、第四番目の勅撰集である。白河天皇の下命により、藤原通俊が撰者となり、寛治元年(1087)に奏覧される。全1218首。和泉式部の68首を筆頭に、相模等女流歌人の多数入集することが特徴である。後拾遺和歌集の古写本は、『拾遺抄』に比して『拾遺集』が広まらなかったことに習い、その名称が「後拾遺和歌抄」となっているのが通例である。上帖仮名序から巻第十までの残欠本であるが、おそらく現存最古の鈔本と思われる。伝二條為世(建長2年〔1250〕~延元3年〔1338〕)筆。表紙は、艶のある鳥の子。題簽は無く、表紙左肩上打ちつけに細字で墨書。本文墨付は165丁、1丁のオモテに「後拾遺和謌抄序」一面9行書き、9丁オモテに「後拾遺和謌抄巻第一」一面九行書き。巻第一春の56番藤原公任の「わがやどの…」の一首は流布本とは異なるかたちで記されており、また「イ本」との校異を示すほか勘物注記もみられる。極札に「二條家為世卿真筆 後拾遺集」とある。伝称筆者の二条為世は、鎌倉時代の歌人。藤原定家の後裔が二条、京極、冷泉三家に分かれた際の二条家の祖である為氏の息。後宇多院の命により、『新後撰集』および『続千載集』を撰進している。弟子として頓阿や兼好等を育て、保守的とされる二条派の歌風を完成させた。『続拾遺集』以下の勅撰集に、170余首が入集する。

〈翻刻〉

・臼田甚五郎「翻刻國學院大學図書館蔵 伝二条為世筆本 後拾遺和謌抄(一)~(五)」(『日本文学論究』28・29、31~33 1970年3月・11月、1971年11月、1972年11月、1973年11月)

〈参考〉

・福田秀一「二条為世」(『日本古典文学大辞典』 岩波書店 1984年)

・久保田淳・平田喜信『後拾遺和歌集』(岩波書店 1994年) 1

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