【解説】ものくさ太郎 江戸時代初期写 大型なら絵本
大分類 | 図書館デジタルライブラリー |
---|---|
中分類 | 奈良絵本・絵巻物関係 |
小分類 | ものくさ太郎 江戸時代初期写 大型なら絵本 |
分野分類 CB | 歴史学 |
文化財分類 CB | 図書 |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+解説 | ものくさ太郎 [貴110] 〈外題〉なし 〈内題〉なし 〈巻冊〉1巻1帖 〈体裁〉折本(改装) 〈書写年代〉江戸時代初期 〈表紙寸法〉縦33.4糎×横23.4糎 〈書入・貼紙〉なし 〈奥書〉なし 〈蔵書印〉なし 〈解題〉 室町時代物語(お伽草子)の奈良絵本。 『ものくさ太郎』は、稀代の怠け者・ものくさ太郎が立身出世を果たす物語である。最後に「おたかの明神」として祀られており、本地物の形式をとる。ものくさ太郎の神名をとって、「おたかの本地」や「おたかの本じものくさ太郎」と題する諸本もある。 本書は現在折本に仕立てられているが、料紙の左右端に綴じ穴の跡があり、もとは袋綴装の大型奈良絵本であったと推測される。本文と挿絵とが分れておらず、画中詞の形式をとるなど、奈良絵本としては古い形態を伝える。本書は物語冒頭から約1丁半分の本文が欠けており、現存する丁にも料紙の欠損が見られる。また、改装の際に生じた錯簡が複数確認できる。『ものくさ太郎』は、本書のような縦型奈良絵本は稀で、他に岩瀬文庫本(寛文年間頃写)が知られるだけである。 『ものくさ太郎』の諸本は、大きく古本系(大阪女子大学附属図書館蔵絵巻・国立国会図書館蔵絵巻)と刊本系とに分けられる。両者の関係について信多氏は、刊本系は多くの台詞をもった絵の描かれた古本系の本文をもとにして、その台詞部分を本文化し、文脈を整えて成ったとされている。 本書は、古本系と刊本系の両方の本文の特徴が見られ、他本に比して簡略な表現が多い。 〈参考〉 ・『室町時代物語集』5解説 (横山重執筆 井上書房 1962年) ・信多純一「夢想『物くさ太郎』論」(『谷山茂教授退官記念 国語国文学論集』塙書房 1972年) ・信多純一編著『松蔭国文資料叢刊4 古本物くさ太郎』(1976年) ・『岩瀬文庫蔵 奈良絵本・絵巻解題図録』「29た賀乃本地」解題 (日沖敦子執筆 2007年8月) ・佐伯和香子「國學院大學図書館蔵奈良絵本『ものくさ太郎』の絵と本文」(針本正行編『物語絵の世界』國學院大學文学部針本正行研究室 2010年) |
+登録番号(図書館資料ID) | 貴110 |
資料ID | 143201 |
所有者(所蔵者) | 國學院大學図書館 |
- |