玄武岩

資料番号NG12-005245
大分類地学(岩石・鉱物)
中分類岩石 1
学名basalt
和名(通称名)玄武岩
地層名湯島玄武岩
採取都道府県熊本県
地質時代・年代新生代第四紀更新世
採取市町村上天草市
公開解説天草の大矢野島と島原半島の間に位置する湯島は、山頂が平坦で台形のような形をしています。この形はどうやってできたものでしょう?湯島には、凝灰質の砂岩・泥岩と海で堆積した砂岩・泥岩が分布し、それらの上に厚さ10m程度の玄武岩が載っています。玄武岩の溶岩は粘りけが弱く流れやすいので、なだらかな地形を作ります。湯島の上面は、玄武岩質の流れる溶岩によって平坦な地形が作られました。湯島に分布する玄武岩は、全体的に黒っぽく、ルーペで観察するとところどころに透明な黄緑色の粒や白い粒が見られます。この透明な黄緑色の粒はカンラン石、白い粒は斜長石です。また、偏光顕微鏡写真では、大きな粒子の周りに小さな粒子がたくさん集まっているのが見られます。このような組織を斑状組織といい、大きな粒子を斑晶、その周りの小さな粒子の集まりを石基といいます。湯島の玄武岩の場合、斑晶はカンラン石(直交ニコルでダイダイ~赤色)と斜長石(直交ニコルで灰~白色)です。石基は主に斜長石の細長い粒子よりなり、カンラン石の小さくて丸い粒子も見られます。このことから、湯島に分布する玄武岩は、カンラン石玄武岩であるとわかります。湯島の玄武岩はおよそ82万年前に噴出しました。その当時、島原半島では、玄武岩や安山岩を主体とする火山活動が起こっていました。湯島の玄武岩はそれらの岩石と関係があるという考えがあります。湯島の地質は、島原半島の同じ時代の火山活動や堆積岩などを調べていくことで、より明らかになることが期待されます。なお、現在の雲仙が出来はじめたのは、30万年前になりますので、湯島の玄武岩などに比べるとずいぶん新しい活動になります。
公開解説引用「熊本の自然と文化」~松橋収蔵庫だより~No.21. 解説No.113

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