ムラサキ
資料番号 | NB21-077400 |
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学名 | Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zucc. |
科(和名) | ムラサキ科 |
採取都道府県 | 熊本県 |
公開解説 | ムラサキは、山地の草地に生育するムラサキ科の多年生草本です。茎は高さ70㎝ほどになって、上部は枝分かれします。枝の先には葉が交互につき、そのわきに小さな白色の花がつきます。根は太く、紫色の色素を含んでいるため、昔は高貴な色とされた紫色の染料として利用され、栽培もされていたようです。また、「万葉集」には、ムラサキが詠み込まれた歌がたくさん収められており、ムラサキが人々にとって身近な植物であったことがうかがえます。熊本県でもかつては各地で見られていたようです。しかし、1960年代以降、その生育が確認できなくなっています。そのため『レッドデータブックくまもと2009』(熊本県)では、ムラサキは絶滅(EX)ランクに選定されています。写真の標本は1960年に水俣市で採られたもので、松橋収蔵庫に収められている熊本県産のムラサキの標本としては最も新しいものです。茎の先端には花が咲き、その下には灰白色で光沢のある実もたくさんついています。今では見られなくなったムラサキの姿を伝える貴重な標本ですが、熊本県で今後ムラサキが確認され身近な植物となり、最新標本の日付が更新されることを期待しています。 |
公開解説引用 | 熊本の自然と文化 松橋収蔵庫だより No. 21 (2012) |
大分類 | 植物・藻類・菌類 |
中分類 | 植物 2 |
小分類 | 種子植物 1 |