「東都名所」

作家名	UTAGAWA, Hiroshige　歌川広重　1797-1858
制作年	1831-34
発行	川口屋正蔵
素材・技法	錦絵
Title	“The Famous Places in the Eastern Capital”
Material/Technique	polychrome print
Date	1831-34
作品解説	江戸名所を描いた全10点からなる。広重が最初に手掛けた風景版画のシリーズで、「一幽斎」の署名があることから「一幽斎がき東都名所」と通称される。俯瞰的な構図、手前に極端に大きなモチーフを配して遠近感を強調する、舶来の化学染料べロ藍と要所に配した紅色を対比させる、といった試みが見られる初期の意欲作である。

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	UTAGAWA, Hiroshige
	1797-1858
作家略歴	浮世絵師。本名は安藤徳太郎のち重右衛門。号は一幽斎、一立斎、立斎など。歌川豊広に入門。花鳥画、役者絵、美人画など多彩な作品を手掛け、1831年の「東都名所」が出世作となる。江戸時代後期の旅行ブームに乗って33年に保永堂から発表された「東海道五十三次之内」の成功によって名所絵師の第一人者となった。続いて「近江八景之内」「京都名所之内」「浪花名所図会」などを発表。浮世絵風景版画を確立し、大成へと導いた。大胆なトリミング、遠近法を駆使した構図や色彩感覚の妙は、西欧の画家たちをも魅了し、少なからぬ影響を与えた。また、四季の移ろいや時間の流れなどを巧みに取り入れた、情緒豊かな作風が特徴である。