N（中出氏）の像

作家名	KATATA, Tokuro　片多徳郎　1889-1934
制作年	1934
素材・技法	キャンバスに油彩
サイズ（cm）	130.6×97.0
Title	Portrait of N (Mr. Nakaide)
Date	1934
Material/ Technique	oil on canvas
Size (cm)	130.6×97.0
作品解説	椅子に深く腰掛け、うつろな目をする男。太い輪郭線によって表現することで、人物の存在感をより強く浮かび上がらせている。モデルは片多の友人の洋画家中出三也。体をやや斜めに傾けた不安定な姿勢や表情は、片多の重い心のうちが投影されているかのようである。

片多徳郎

	KATATA, Tokuro
	1889-1934
作家略歴	画家。大分県豊後高田市に生まれる。1907年、東京美術学校（現東京藝術大学）西洋画科に入学する。09年、第3回文展に《夜の自画像》が初入選する。14年、第8回文展に《夏山急雨》を出品し褒状を受ける。大正期には南画研究を通じて東洋的表現を試みた。19年、新光洋画会の結成に参加。同年、第1回帝展で無鑑査の推薦を受け、《霹靂》を出品。20年、四十年社結成に参加する。27年、大調和美術展の創立に参加する（翌年解散）。『報知新聞』に連載の佐藤春夫「神々の戯れ」の挿絵を描く。聖徳記念絵画館の壁画が完成する。28年、第9回帝展の審査員に任命される。この頃からアルコール中毒で入退院を繰り返したのち、34年に死去。