安南を憶ふ

作家名	NAKAMURA, Kenichi　中村研一　1895-1967
制作年	1942
素材・技法	キャンバスに油彩
サイズ（cm）	100.3×80.7
Title	Reminiscence of Annam
Date	1942
Material/ Technique	oil on canvas
Size (cm)	100.3×80.7
作品解説	明るい室内でベトナムの民族衣装をまとい寛ぐ女性。モデルは中村の妻富子である。1942年、中村は陸海軍の従軍画家に選任され、インドシナを取材して戦争記録画を描いている。一方、同年に制作した本作では、取材地で目にした日差しや色彩などの印象が、華やかな色合いの民族衣装の女性に仮託して表現されている。

中村研一

	NAKAMURA, Kenichi
	1895-1967
作家略歴	画家。福岡県宗像市に生まれる。1909年、福岡県立中学修猷館(現修猷館高等学校)に入学後、児島善三郎の勧誘で絵画同好会「パレット会」に入会。14年、鹿子木孟郎の内弟子となる。15年、本郷洋画研究所を経て東京美術学校(現東京藝術大学)に入学。23年、渡仏。モーリス・アスランに師事し、古典絵画の技法を学ぶ。30年、第11回帝展で《弟妹集う》が帝国美術院賞受賞。翌年、帝展の審査委員となる。戦時中は軍の委嘱を受けて戦争記録画を制作。第1回大東亜戦争美術展に出品した《コタ・バル》が朝日文化賞受賞。戦後は官展の審査員や理事をつとめ、50年、日本藝術院会員になる。的確なデッサン力、構成力を活かし、終生、写実を追求した。