ねて居るひと

作家名	YOROZU, Tetsugoro　萬鐵五郎　1885-1927
制作年	1923
素材・技法	キャンバスに油彩
サイズ（cm）	79.0×115.5
Title	Lying Woman
Date	1923
Material/ Technique	oil on canvas
Size (cm)	79.0×115.5
作品解説	第1回春陽会展の出品作である本作は、萬がそれまで取り組んできた近代的な造形思考と、南画の研究によってもたらされた東洋的主観主義がうまく融合している。横臥した裸婦を描くために必要な要素を厳選し、寂(さび）のきいた落ち着きのある色面に抑えられた作風は、西洋絵画の単なる模倣を超えた表現に達している。

萬鐵五郎

	YOROZU, Tetsugoro
	1885-1927
作家略歴	画家。岩手県花巻市に生まれる。1903年に上京して、早稲田中学校（現早稲田高等学校）に通うかたわら、白馬会第二洋画研究所で学ぶ。07年に東京美術学校（現東京藝術大学）に入学。12年、ゴッホやマティスに影響を受けた《裸体美人》を卒業制作で提出。同年、ヒュウザン会（のちにフュウザン会と改称）に参加する。14年に帰郷。再上京後の17年、日本でキュビスムの影響を示す最初期の作例とされる《もたれて立つ人》を二科展に出品する。肺結核のため、神奈川県茅ケ崎市に転居してからは、日本画も盛んに制作し、のちに南画研究も進める。22年に春陽会設立に参加、23年に円鳥会を組織した。