奇跡（習作）

作家名	MARINI, Marino　マリノ・マリーニ　1901-80
制作年	1955
素材・技法	ブロンズ
サイズ（cm）	100.2×75.0×42.5
Title	Miracle (study)
Date	1955
Material/ Technique	bronze
Size (cm)	100.2×75.0×42.5
作品解説	マリーニは、同一テーマを発展させていく手法を取り、「奇跡」シリーズも1950年代を中心に複数制作された。落馬する人物が、回心する瞬間の聖パウロのように見えたという出来事を元にしており、それまでの柔らかな曲線を持つ静的な騎馬像と比べ、激しい動きと面で構成された形態、ブロンズ表面に刻まれた鑿（のみ）跡を特徴とする転換期の作品といえる。

マリノ・マリーニ

	MARINI, Marino
	1901-80
作家略歴	イタリアの彫刻家、画家。トスカーナ州ピストイアに生まれる。1917年、フィレンツェのアカデミア美術学校に入学し、絵画とデッサンを学ぶが、22年頃から彫刻制作を始める。29年よりミラノ近郊モンツァの美術学校で、40年以降はブレラ美術学校で教鞭をとった。28年以降、「ノヴェチェント」グループの展覧会に複数回参加する。35年、第2回ローマ・クワドリエンナーレで彫刻大賞を受賞。52年、第26回ヴェネツィア・ビエンナーレで彫刻大賞を受賞し世界的な評価を得た。女性像、馬と騎手などを主題に、ギリシア、エトルリアなどの古代美術の影響が感じられるブロンズ像制作を行ったが、60年代後半に始めた石彫制作で手首を痛め、74年以降は絵画と版画制作に注力した。