生物の創造

作家名	TERADA, Masaaki　寺田政明　1912-89
制作年	1939
素材・技法	キャンバスに油彩
サイズ（cm）	162.0×130.3
Title	Creation of Life
Date	1939
Material/ Technique	oil on canvas
Size (cm)	162.0×130.3
作品解説	樹木から奇妙な生物が次々と生まれ出ている場面か。極度に抑えられた暗褐色の色彩と相まって、どこか不安を感じさせる。本作が描かれた1930年代はファシズムが進行し、自由な芸術表現が禁じられた時代。不安が渦巻く社会で、寺田は物言わぬ生物たちに人々の感情を映したのかもしれない。第9回独立美術協会展出品作。

寺田政明

	TERADA, Masaaki
	1912-89
作家略歴	画家。北九州市に生まれる。幼少期の足の怪我がきっかけで画家を志す。1928年、同舟舎絵画研究所を経て太平洋美術学校に入学。32年、第2回独立展に《風景B》が初入選し、以後、同展やNOVA美術協会展などへ出品。「池袋モンパルナス」の若手芸術家の中心人物として活躍し、戦中は、エコル・ド・東京、美術文化協会、新人画会を結成。戦後は、自由美術展や主体展を主な発表の場とした。また、尾崎士郎、司馬遼太郎らの小説や、児童書、歌集、詩集などの装丁、挿絵も手掛けている。終生、小さいもの、弱いもの、消えゆくものへの愛着を深め、物言わぬ動植物や、廃船、さびれた港の風景などを好んで描いた。