Tの肖像

作家名	KISHIDA, Ryusei　岸田劉生　1891-1929
制作年	1914
素材・技法	キャンバスに油彩
サイズ（cm）	53.2×41.0
Title	Portrait of T
Date	1914
Material/ Technique	oil on canvas
Size (cm)	53.2×41.0
作品解説	劉生は1913年から、自宅を訪れる友人たちをモデルにした肖像画を数多く描いており、友人たちからは「岸田の首狩り」と恐れられた。その画風は、ゴッホやセザンヌからの影響ののち、次第にデューラーやファン・エイクなど北方ルネサンスにみる写実的絵画からの影響へと変わってゆくが、本作は後者にあたる。モデルのＴは、草土社同人の田村憲とされる。

岸田劉生

	KISHIDA, Ryusei
	1891-1929
作家略歴	画家。東京都中央区に生まれる。1908年、白馬会絵画研究所に通い、黒田清輝に師事する。10年、19歳で文展に初出品し入選する。11年に、雑誌『白樺』と出合い、ゴッホなど、ポスト印象派の作品に感銘を受ける。12年、ヒュウザン会（のちにフュウザン会と改称）結成に参加する。14年頃から北方ルネサンス絵画に傾倒する。15年、草土社を結成し、独自の写実主義を追求する。17年、健康上の理由で神奈川県藤沢市に転居したのち、代表作となる一連の麗子像に取り組む。22年、春陽会の創立に客員として参加する。23年、関東大震災で被災し、京都に移住すると、東洋古美術の収集や茶屋遊びに熱中する。満州での個展の帰路、38歳で病死した。