近代化遺産_新町の恩賜郷倉

名称ヨミキンダイカイサン_シンマチノオンシゴウソウ
地域大川目町
所在地岩手県久慈市大川目町新町
年代昭和10年(1935)9月30日
解説構造:木造平屋
規模:面積33㎡,容積128㎥,400~700俵
昭和9年(1934)に東北地方で大凶作があり、天皇・皇后両陛下の下賜金をもとに国庫支出金により凶作に備えて郷倉は建築された。
この結果、岩手県では昭和11年までに既存の140棟の充実と、991棟の郷倉が新設された。この郷倉は、全県一律の設計・規格で建築され、1倉10坪を標準に480円の建築費で実施された。大きさは最低10坪、最大で20坪であった。戦後には民間に払い下げになり現在に至っている。
木造平屋建て、平入りの出入口で、下屋が2間巾で4.5尺出て付いていた。壁は厚さ21㎜の杉板を910mm間隔の柱間に嵌め込み、内壁腰部分に亜鉛鉄板を張り、防湿・防鼠対策とした。
屋根は杉柾下葺きの上に引っ掛け桟瓦葺であったと思われるが、現在はトタン葺きに改修されている。換気のため、小窓を床下・軒下・妻の外壁に配置している。外壁板を柱間に嵌め込み、強度を増している。79年経った現在も使用に耐えられる状態である。
郷倉は、市内では長内町・夏井町・山根町・山形町にも現存している。

※桟瓦:江戸時代、近江(滋賀県)の瓦師、西村半兵衛が考案。平瓦と丸瓦を合体した軽量・安価な一枚瓦。

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