イワギク

名称ヨミイワギク
地域その他
所在地久慈渓流・長内渓流の石灰岩
解説イワギクは、石灰岩地帯に分布する植物で、岩盤の崖やその下部に生えている。キク研究に関して、国内で第一人者である中田政司博士(富山県中央植物園)の細胞遺伝学的研究調査の結果、久慈市・岩泉町に分布するイワギクは、新分類に属するものであることがわかり、イワギクからコハマギクへ進化したとしている。
イワギクは中国大陸から朝鮮半島を経て日本へ染色体数が倍数化を伴いながら分布を広げてきた。倍数化は6倍体→8倍体→10倍体といった単純なものではなく、4倍体と6倍体の交雑で10倍体が生じ、10倍体と6倍体が交雑し8倍体が生じるなど複雑な交雑と考えられる。
イワギクは国内では石灰岩の山などに遺存的に分布するだけの稀な植物である。イワギクの自生地は全て重要であるといえるが、岩手県のイワギクは6倍体と8倍体を含み、特別な意味をもつ。
今回発見されたイワギク8倍体は外部形態、染色体数、分布域などから判断すれば、独立した新分類群と考えられ、進化史を研究する上で貴重である。
環境庁では絶滅危惧Ⅱ類、岩手県ではBランクに分類されている。

PageTop