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偉人_タマシン・アレン_アレン記念館

名称ヨミイジン_タマシンアレン_アレンキネンカン
地域中心街
所在地岩手県久慈市本町3丁目
年代昭和
指定年月日国登録・平成28年11月29日
解説 久慈幼稚園の敷地の一角に「アレン記念館」と呼ばれる洋風建築が保存されている。昭和初期、災禍と貧困に苦しむ人々の救済を志して久慈に移住し、生涯を信仰と奉仕に捧げた、久慈市名誉市民のタマシン・アレン氏(1890-1976)が住まいとした建物である。
 アレン記念館は昭和16年(1941)に建築され、当時は「宣教師館」と呼ばれた。設計は著名な建築家ウイリアム・メレル・ヴォーリズが手掛けた。米国出身のヴォーリズは明治38年(1905)に来日。建築を志し、神戸女学院の建築群や大丸心斎橋店建物など国内の西洋建築を数多く手掛け、各地のキリスト教教会や宣教師館の設計にも携わっている。久慈幼稚園の園舎もヴォーリズの設計であり、アレン記念館とともに東北地方では希少なヴォーリズ建築群を構成している。
 アレン記念館の施工にあたり、ヴォーリズの設計を具象化できる腕の良い職人が求められ、地元の大工棟梁である平谷鉄男が手掛けることとなった。伝統工芸品の彫刻技術に秀で、洋風建築も体得した万能の匠である。
 建物は2階建てで、一本足で支えるベランダが目を引く瀟洒(しょうしゃ)な造りであり、昭和初期の久慈地方においては極めてモダンな建物であったと思われる。間取りは、1階が暖炉のある客室、造りつけのアイロン台を備える機能的なキッチン、浴室等となっており、段差の緩やかな階段を昇ると、2階には寝室と2部屋のゲストルームがある。寝室から続くベランダは当初の設計図では開放式となっているが、現在はガラス窓が施され閉鎖できる造りになっている。
 アレン記念館はアレン氏の死後も大切に保存され、平成28年(2016)、歴史的建造物としての価値が認められ、国登録有形文化財となった。
 令和元年(2019)には、所有者である東北文化学園大学により復元修理が行われ、建築当時のグレーの壁の色が再現された。
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