夏井大梵天神楽

名称ヨミナツイダイボンテンカグラ
地域夏井町
所在地岩手県久慈市夏井町
指定年月日県・平成11年5月7日
解説 夏井大梵天神楽は久慈市夏井町夏井に伝承されてきた神楽で、大梵天神を主祭神とし、夏井町大宝院において舞い継がれてきた。大宝院の創立時の棟札には文和3年(1354)とあり、神楽の起源は南北朝時代にさかのぼるとも伝えられるが、その創始については不詳である。 
 伝承によると「(神楽を継承してきた)播磨家の先祖が山伏修験者でありました。昔の世代に播磨の国(兵庫県)より、山伏修験者の六部(注1)の姿にて大梵天不動明王を背負って夏井の地に住み着いたと伝えられております」とある。(※)
 演目は、権現舞、獅子番額舞など46演目あり、その他に南部の助六、奥州一の福太、節分、広綱など多数あるとされるが、現在上演可能な演目はその半数程度である。
 昭和35年(1955)までは夏井町と長内町の全域、大野村(現 洋野町)の一部を霞内(注2)として、1年おきに旧11月1日から約50日をかけて各家を巡行していた。演者の高齢化により存続が危ぶまれたことから、昭和53年(1978)に夏井大梵天神楽保存会を結成して継承に取り組む。今は8月15日の大宮神社の祭礼をはじめ若宮八幡宮、巽山稲荷神社など久慈市近郊の神社の祭礼で神楽を奉納している。
 平成11年(1999)5月7日、岩手県の無形民俗文化財に指定された。
 現在、夏井中学校の全校生徒が夏井大梵天神楽の伝承に取り組んでいる。

※夏井大梵天神楽保存会 刊 「大梵天大権現 大梵天神楽」(平成9年)より

注1…六部(ろくぶ):全国六十六箇所の霊場を巡り、法華経を1部ずつ奉納する巡礼者「六十六部廻国聖(ろくじゅうろくぶかいこくひじり)」の略称。室町時代から近世にかけてさかんに行われた。
注2…霞内(かすみない・かすみうち):信仰者のいる区域のこと。
サンプルワード指定文化財

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