祖霊像

ME. No.5
資料分類名彫像 Figure
現地名korwar
素材
L.(㎝)12
W.(㎝)14
H.(㎝)33
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ニューギニア地域 ニューギニア島北西海岸 チェンドラワシ湾/New Guiena, North West Coast of New Guinea Island, Cenderwasih Bay
収集者南洋興発株式会社 
寄贈者松江春次
執筆者1高田さくら・澤村真理子
解説11921年にサイパンで南洋興発株式会社を設立した松江春次氏が、蘭領ニューギニア探検の際に入手した木製の祖霊像。松江氏の子息が塾生だったこともあり、終戦後、三田キャンパスに所蔵された。「死者の魂」を意味するコルワルと総称される。両膝を立てて胸元に引き寄せた座法で、蹲踞姿勢をとる。多くは身体の前方に棒や杖のような意匠を持つ。コルワルは有力者の死に際して、専門の彫刻師によって作られた。彫刻中に哀悼歌が詠われることによって、祖先の霊魂が像に宿るとされた。完成したコルワルを通して、呪術師に憑依した祖霊に助言を求めたり、大いなる加護があると信じて危険な遠征に帯同したりした。以前のコルワルは首から下の座像で、白骨化した死者の頭蓋骨がその上に乗せられていたが、20世紀初頭にチェンドラワシ湾周辺諸地域でキリスト教が広まると、頭部も木彫で表現された。胴部に比べて頭部が異様に大きい姿形は、以前の名残であろう。

慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室 2017 『2016年度 慶應義塾大学 民族学考古学資料展 『人を模る造形の世界ー南洋・東洋・中近東ー』』民族学考古学研究室 pp.4-5
過去に出品された展覧会「人を模る造形の世界-南洋・東洋・中近東-」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2017年1月13日~2月8日)
「Keio Exhibition RoomX: 人間交際」(オンライン、2020年10月26日~2021年2月28日)
本資料の掲載書籍南の會 1937 『ニウギニア土俗品図集(上)』南洋興発、p.120 資料番号1079
慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室 2017 『人を模る造形の世界-南洋・東洋・中近東-』pp.4-5
土俗品図集No.1079

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