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木偶(男性)

ME. No.9
資料分類名彫像 Figure
素材木、白色顔料(石灰)
L.(㎝)15
W.(㎝)108
H.(㎝)20
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ニューギニア地域 ニューギニア島 セピック河流域/New Guinea, New Guinea, Sepik River
収集者小嶺磯吉
寄贈者松江春次
執筆者1直井瑠汰
解説1 鉤形の台座に立つ男性像。堅木を用いた一木造りで、見た目以上に重量感がある。頭頂部の結髪には天井
から吊るすための紐穴が穿たれている。切れ長の目で目尻は上がり、眉間隆起が強い。鼻は高く、唇が厚い。
面長ではっきりとした顔立ちの若者に見える。体幹部は胸囲よりも腹囲が太い。肘と膝を少し折り曲げて、
身構えるような姿勢をとる。下肢の下端外側に取ってつけたように足指が刻まれている。背面を見ると肩甲
骨周辺には斑文が彫刻されており、これは通過儀礼を終えた男子のタトゥーを模したものと考えられる。台
座にはワニの頭部を模した彫刻が認められる。セピック河中流域からは同種の精霊像付鉤が数多く収集され
ており、そのうち小型のものは日常使いで、大型のものは儀礼に用いられたと言われる。日常用はネズミな
どの害獣や子どもの悪戯から守るために、大切な品物や食料を網袋に入れて鉤部に吊るした。儀礼用はかつ
て、戦や狩りの際に精霊や祖霊と交感し、有難い託宣を得るために供物を吊るしたという。
過去に出品された展覧会「出会い、さまざまなカタチ」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2020年1月17日~2月8日、2月25日~3月12日)
本資料の掲載書籍南の會 1937『ニウギニア土俗品図集(上)』南洋興発、p.123 第53図・2
吉川逸治 1963 『講談社版・世界美術大系 原始芸術』講談社、p.160 第31図
渋沢敬三編 1965 『世界美術全集 第23巻 民族美術』角川書店、p. 146
慶應義塾大学民族学考古学研究室 2020 『慶應義塾大学民族学考古学資料展 出会い、さまざまなカタチ』慶應義塾大学民族学考古学研究室、p.23
土俗品図集No.546

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