舞踏用櫂

ME. No.668
資料分類名舞踏用具 Dance Implement
現地名Mapinakulau
素材木、白色顔料(石灰)、黒色顔料(木炭)、赤色顔料(赤土)、青色顔料(Reckitt Blue)、黄色顔料(花?)
L.(㎝)80
W.(㎝)15
H.(㎝)-
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ビスマルク諸島 ニューブリテン島ガゼル半島・セントジョージ水道 トーライ部族/Bismarck Archipelago, New Britain, Gazelle Peninsula and Saint George' Channel, Tolai tribe
収集者小嶺磯吉
寄贈者松江春次
解説1 軽量の薄板を彫り抜いて意匠が造形され,彩色も豊かである.持ち手の上には,鮮黄色の衣服をまとった西欧人の姿が表現されている.男女1 対で,男性の服装は船員の制服に見える.19 世紀に入ると,航海者や商人,宣教師,学者が頻繁にこの地を訪れるようになり,なかには家族連れの滞在もあったことから,西欧人の夫婦を表象したと考えられる.男性人形の上には円錐形の胴部に腰蓑を付けた人形(ひとがた)が配されており,ドゥクドゥクを連想させる.ドゥクドゥクは当地の男性秘密結社と密接に結びつく儀礼で,女性の加入は許されない.女性人形の飾り板には同様の意匠がないことと関連があるかもしれない.類例の舞踏用手持ち板より小ぶりであり,西欧人を描く意匠の特異性を考えると,土産物か玩具として制作された可能性も浮かぶ.  

「文学部125年記念企画展 語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」展示冊子(p.10)より
過去に出品された展覧会「語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2015 年1月9日~2月7日)
本資料の掲載書籍南の會 1937『ニウギニア土俗品図集(上)』南洋興発、p.110 第XLVI図 2
山口徹監修 山口徹・安藤広道・佐藤孝雄・渡辺丈彦編 2015『語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション』
土俗品図集No.692

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