男子舞踏用装飾前垂

ME. No.416
資料分類名装身具 Ornament
素材貝製ビーズ、紐(植物製)、種子
L.(㎝)
W.(㎝)40
H.(㎝)60
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ビスマルク諸島 アドミラルティ諸島/Bismarck Archipelago, Admiralty Islands
収集者小嶺磯吉
寄贈者松江春次
解説1相撲の化粧廻しのように,儀礼的な舞踏に際して男性が着用した前垂れである.上部は植物繊維の織地にハトムギの種子が一列に織り込まれている.主体部には,織地の横糸に貝製ビーズを並べ連ねて白地を作り,ココナッツ殻の小片で作った黒褐色のビーズを間に挟むことによって十字や鰐形の意匠,矢状やジグザグ状の模様が描かれている.前垂の最下部は,貝製ビーズを連ねた紐の先端にアカテツ科の高木グッタペルカの種が下げられている.類例のなかには,オウムの羽や犬の牙を用いた装飾前垂れや,赤と青のガラス製ビーズを用いた事例が認められる.舞踏やその他行事で女性が着用した前垂れや,女性の婚礼着の一部として用いられた類例もある.

「文学部125年記念企画展 語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」展示冊子(p.12)より
執筆者2佐山のの
解説2上部は植物繊維で織られ、ハトムギが水平に4 列、端から端まで付けられている。もっとも面積の広い中央部はビーズ製で、白い貝製ビーズを素地とし、ココヤシの殻のビーズで十字や鰐とみられる図案、ジグザグ文を描いている。下部は貝製ビーズ紐を多数垂らしており、ビーズ紐の端にはグッタペルカの種が下げられている。ジグザグ文が類似する前垂が類例に認められる。
過去に出品された展覧会「語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2015 年1月9日~2月7日)
本資料の掲載書籍南の會 1940 『ニウギニア土俗品図集(下)』南洋興発株式会社、p.34 第7図 2
山口徹監修 山口徹・安藤広道・佐藤孝雄・渡辺丈彦編 2015『語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション』
土俗品図集No.151

PageTop