短刀

ME. No.38
資料分類名短剣 Dagger
現地名Dagger
素材木、エイの尾刺、ガラス製ビーズ、白色顔料(石灰)、黒色顔料(木炭)、赤色顔料(赤土)、紐(植物製)、膠着材(パリナリウムナッツ+泥)
L.(㎝)52
W.(㎝)3
H.(㎝)-
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ビスマルク諸島 アドミラルティ諸島/Bismarck Archipelago, Admiralty Islands
収集者小嶺磯吉
寄贈者松江春次
執筆者1中澤貫司
解説1エイの尾棘を紐で木柄に装着し、泥と樹脂の膠着材で固定した短剣。着柄部に紐で表現される格子模様は赤・白・黒で彩色されr、格子点は赤色ガラス製ビーズで装飾される。柄部を横から見ると、鰐が人を飲み込む構図になっている。剣身は折れやすく実用的ではない。儀礼に使用されたか、土産物として来訪者に販売された可能性が高い。類例には髪飾りとしての使用も知られる。

「2018年度慶應義塾大学民族学考古学資料展 ANIMARTIFACT-時空を越える動物-」展示冊子(p.5)より
解説2剣身,着柄部,柄部の3 部位から構成され,剣身は黒曜石製石刃とエイの尾棘製に分かれる.柄部は木製で,剣身と着柄部は樹脂製の膠着材で接合される.多くは着柄部に装飾を持ち,赤褐色を基調に白色・青色・黒色で意匠が描かれている.石刃はアドミラルティ諸島産の黒曜石製を使用している.石刃先端部の細かな調整痕は,刃部形態の意識的な整形を物語る.着柄部には波線,鋸歯等の文様があり,柄部には交差文様が施されている.それぞれの文様は浮き彫りで表現され,凹部に白色顔料を塗り込み,凸部を青と黒で彩色している.エイの尾棘を刃部とするダガーは,貝製ビーズやガラス製ビーズで装飾されたものが多い.着柄部直下に人物像が彫り出された資料もある.

「文学部125年記念企画展 語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」展示冊子(p.7)より
過去に出品された展覧会「語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2015 年1月9日~2月7日)
「ANIMARTIFACT-時空を越える動物-」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2019年1月18日~2月9日, 2月22日~3月7日)
本資料の掲載書籍南の會 1937『ニウギニア土俗品図集(上)』南洋興発、p.71 資料番号998 第33図 12
山口徹監修 山口徹・安藤広道・佐藤孝雄・渡辺丈彦編 2015『語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション』
慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室 2019『ANIMARTIFACT-時空を越える動物-』 p.5
土俗品図集No.998

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